現中国で「高須クリニックの院長たたき」が失敗
台湾パイナップル禁輸の裏側
3/25(木) 6:01配信/ダイアモンドオンライン(ダイアモンド社)
● 中国の「台湾パイナップルの禁輸」を受け
日本で「#台湾産パイナップルを食べよう」が拡散
3月のある日、近所のスーパーマーケットに普段は見慣れない台湾パイナップルが並んだ(翌日には完売)。皆さんが買い物をするスーパーでも台湾パイナップルを目にしたのではないだろうか。
これは中国政府が3月1日から台湾パイナップルを全面禁輸することを発表したため、日本全国で台湾パイナップルの輸入が増えたことで起こった現象だ。発端は、日本のツイッターやインスタグラムなどのSNSで「#台湾産パイナップルを食べよう」という呼びかけが一気に拡散したことだ。
この件の裏で、中国政府は中国SNS上での官製炎上に失敗していた。
実は、中国政府の台湾パイナップル禁輸発表後の2月28日、環球時報が、SNS微博(ウェイボー)に高須クリニックの高須克弥院長を個別攻撃する投稿をして炎上させていた。
高須氏は中国による禁輸発表後、台湾パイナップルの購入支援をしようというツイートを連発していた。しかし、投稿の中に中国政府を批判する内容は確認されていない。台湾総統である蔡英文氏のツイートをリツイートしたり、自身が台湾パイナップルの購入を予約したことを発表したくらいだ。にもかかわらず、なぜ中国官製メディアである環球時報がわざわざ高須氏を個人攻撃したのだろうか。
しかも、環球時報は高須院長のツイート画像を添付してまで批判している。ツイッター禁止国である中国が高須氏のツイートを逐一チェックしてウェイボーへ貼り付けて拡散するという、実に滑稽な光景が繰り広げられていたのだ。
● 中国が高須氏を炎上させようとした 本当の理由とは?
環球時報によるウェイボーの投稿は、中国共産党の機関紙(人民日報の兄弟紙)の投稿、すなわち中国政府の意向を強く反映する官製投稿と考えてよい。
環球時報が高須氏を炎上させようとした目的は、「高須氏をたたくこと」ではなく、「台湾の蔡英文政権たたき」だったと考えられる。今回高須氏を利用したのは、影響力の高さに加えて、過去にもたたいたことがあるため利用しやすかったからだろう。
過去にも高須氏による中国関連の発言がウェイボーへ取り上げられ、炎上した前例があった。内容は中国政府が30万人以上殺害されたと主張する南京事件へ疑問を呈すようなものや、中国国内の絶望的な貧富の格差についての発言だ。最近でも、今年1月に高須氏の発言が炎上していた。環球時報は、これらの成功体験から味をしめ、二番煎じを狙ったのだと思われる。
これは中国政府の常とう手段の一つである。しばしばSNSを炎上させることで世論誘導や愛国心の高揚などに活用しているのだ。今回の高須院長のケースでは、台湾を応援する日本の“反中右派の医師”高須克弥という単純な対立構図を描き出すことで、国内の反台湾世論を盛り上げ、中国政府への支持を集めようと画策したとみられる。
しかし、高須院長をだしに使った官製炎上は、無残にも失敗に終わったようだ。環球時報がウェイボーに投稿した2月28日以降の新規コメントは確認できず、書き込み停止になっている(実際の投稿は現在も確認できる)。
書き込まれたコメントは162件。そのうち表示されているコメントは40件、環球時報によって削除されたコメントは122件。削除率にして75%となる。
● 投稿から読み取れる 「官製炎上」の痕跡
他の同じような官製炎上と比較してみよう。多くの官製炎上では、政府が意図した通りのコメントが殺到するので、削除率は10%以下であることが多い。たとえば、1月9日に高須氏を炎上させた投稿は、86件中81件が表示されているので削除率は5.8%。ほぼすべてが高須氏への辛辣(しんらつ)な個人批判で埋め尽くされていた。
そう考えると、今回の75%という高い削除率は、中国政府が意図しないコメントが殺到したからではないだろうか。高須院長や台湾への批判ではなく、今回の台湾パイナップル禁輸について中国政府への批判や苦言ではないかと推定される。
さらに、結果的に中国政府がもっとも望まない「日台連携」の強化につながったことで、高須院長をだしにした官製炎上は失敗に終わった。
環球時報がこの半年、ウェイボーで炎上させた投稿は、BTS(防弾少年団)、BLACKPINK、キムチ、詩人の尹東柱など韓国絡みが多く、キムチは韓国へ飛び火して延焼を続けている。これらはいずれも環球時報が、中国政府の切り込み隊として一番やりで炎上させたものだ。
さらに高須院長炎上作戦で失敗した投稿へのコメントを分析すると、この一連の動きが「官製」だったことを感じさせる痕跡が見て取れる。表示されている40件の全コメントが、2月28日午後2時56分の投稿から23分以内に一気に書き込まれているのだ。
● 中国政府にとってSNSは 国民世論を知るための手段?
2月28日は日曜日とはいえ、真っ昼間の時間帯にSNSのコメントが集中するものであろうか。不自然さは拭い去れない。日本のネット民であれば、深夜などの時間帯に活動しそうなイメージがあるが……。
以下は推測となるが、「まずは40件のコメントを中国政府が用意したサクラ(種火)として環球時報の投稿(薪)へ集中投入して、一般コメントを呼び込み一気に燃え上がらせて大成功!」という作戦だったのではないだろうか。
ちなみに、表示コメントのアカウントはそれぞれバラバラで、個人らしきアカウントと見受けられる。当然、そこまで計算してサクラを用意しているのだろう。
中国情勢の専門家がよく指摘するのは、「中国政府は国民世論を把握できない」ということだ。なぜなら、中国には選挙もなければ、支持率調査、政府の政策についてのアンケートも存在しない。デモや集会も事実上禁止されている。つまり、中国政府は国民の声を知るすべを持っていないのだ。そのため、中国政府はSNSを民意を知るためのリトマス試験紙として使っているという。
中国政府は、内政目的で官製炎上させているようだが、最近では失敗も目立つようになっている。もしかすると、SNSを主に利用する若い世代をうまくコントロールできなくなりつつあるのかもしれない。
台湾パイナップル騒動で日台の絆が強くなることは、中国との適切な距離を保つ意味でも重要なことだと思われる。しかし、台湾には、これを機に“核食”と呼んで、いまだ輸入を禁止している福島などからの農産物の禁輸を解いてほしい。ぜひ中国との違いを示してほしいところだ。
法律やルールを恣意(しい)的に運用し、中国共産党がすべてを支配するのが中国なら、台湾には国際秩序やルールを順守する民主主義を体現してほしいと願う。福島の農産物は国際的な安全基準をクリアしている。
それにしても、かつては中国にVIP扱いで厚遇されて中国人医師の育成にも貢献した高須克弥氏に対して、過去を消し去ったかのように個人攻撃するのは中国っぽいところではある。
しかし、中国政府が1人の民間人を繰り返し攻撃するということは、この二十数年の中国政府の傾向からすると、高須院長の発言が真実であることを示しているといえる。中国政府が再三主張することの正反対が真実であることは、今や多くの国が知るところになっているからだ。
(筑前サンミゲル/5時から作家塾®)
コメント総数;140
イ.面白いくらい逆効果だったと思う。中国に頼らなきゃと画策したが、中国に頼る必要がない、という事を知らしめてしまった。
ロ.恩をあだで返す
昨日の友は今日の敵
ウソでも100回叫べばホントウになる
執拗な自己正当化
内に秘めた野望と領土欲。
中国が世界の規範、、、よって、世界は中国に従いなさい、
脅しと挑発
いくらでもお金貸しますよ、いいえ、返済は何時でもいいですから
といって、、弱小国を債務漬け
これがレッドチャイナの本性なのです。
ハ.中国が失敗したのは高須克弥院長叩きだけではない。台湾が輸出先を日本に向けたことにより「台湾産パイナップルは甘い」など、品質の良さが日本の国民に知れ渡ったことだろう。中国の政権が日本人について読み誤ったことがある。日本は戦後、中国の発展の為に莫大な金銭的、技術的な援助を惜しみなく続けてきた。しかし、中国は尖閣諸島を奪取する行動を取り、恩を仇で返す所業の数々。対する台湾は2011年の震災の時に、世界で最も多額の寄付をしてくれたことを日本人は忘れていない。これからも日本は台湾を応援し続けると断言できる。
如何にも中国共産党(=唯物論者)らしい間の抜けた世論(「与論」ではない)操作ではないか。台湾人や日本人など異文化圏人(チベット人・ウイグル人・モンゴル人・香港人を含む)の深層心理までは、殆ど無知に等しい。勢い、自分がそう想うから相手も同じだろう、と物の観方や考え方が偏狭になりがちである。
特亜三国(中国・韓国・北朝鮮)と我国とを峻別し得る何らかのメンタリティがあるとすれば、濃淡に個人差あれど、それは【諦観】の有無ではないかと観る。そもそも我国は、不完全な生き物(≠神・仏)であるがゆゑに「人間は独りでは生きて行けない」との真理(諦観)を知覚し、古来より互助互恵を旨とする共同体(ゲマインシャフト)型社会を堅持してきた。翻って、カネの切れ目が縁の切れ目の利益体(ゲゼルシャフト)型社会を驀進しているのが中国共産党ではなかったか。欧米のうち歴史の浅い米国を別にすれば、一時期にせよEEC(欧州経済共同体)を組織したように、欧州にも旧き佳き共同体の残滓が窺える。
独裁国家の最大の弱点は「無謬性」にある。「独裁」は「独占」「独善」「独尊」をも誘発する。つまり、独裁者は「神」と同格(神格化)の存在に祭り上げられ、一般人民が犯す失敗や間違いなど在り得ない(無謬)ことになる。だからこそ、決して反省も謝罪もしない。反省しないから失敗や過ちの教訓が活かされない。終には進退窮まって、同じ跌を踏む負のスパイラルに嵌ってしまう。
しかし、独裁者とて神でも仏でもない普通の人間である以上、失敗からも過ちからも逃れられない。全権掌握者としてそんな「事実」はなかったことにするしかないから、関係者への「口封じ」が始まる。甚だしきが〝死人に口なし″とばかりの殺戮である。斯くして独裁政治の恐怖は、「事実」に反するウソがウソを呼び、やがて嘘が事実に取って代わる虚構社会が窮まって行く。台湾人文筆家黄文雄氏は、我国を「誠」とし、中国を「詐」の一文字で片付けている。言い得て妙ではないか。
嘗て中国共産党は「打倒!帝国主義」を叫んでいた。ところが今日の彼らが遣ってることは、時代遅れの帝国主義そのものではないのか。何のことはない、中共自身が思想的貧困ゆゑに、全人類から「打倒!」されるべき存在に落ちぶれただけの話である。まったく思想もヘチマもあったものではない。戦前植民地を有した世界列強の悪しき部分だけを短絡的にそっくり猿真似したに過ぎず、凡そ世界の趨勢に逆らうかの如き、二百年前の亡霊に憑りつかれた醜悪なヤクザ(=暴力団;今日でいう「反社会勢力」)国家と言わざるを得ない。即ち、「日中友好」自体が「反社」に加担することとなりかねず、理窟の上でも道義的にも許されざる行為、と悟るべし。
【帝国主義】《imperialism》
政治・経済・軍事などの面で、他国の犠牲において自国の利益や領土を拡大しようとする思想や政策。狭義には、資本主義の歴史的最高段階として19世紀後半に起こった独占資本主義に対応する対外膨張政策。
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