[ニュース分析]韓国候補、退却か逆転に懸けるか
…先行き見えないWTO事務局長選挙
10/31(土) 12:09配信/ハンギョレ新聞日本語版
28日、世界貿易機関(WTO)事務局長選挙の結果の大枠が明らかになったが、新しい事務局長の選出は依然として霧に包まれている。米国が韓国のユ・ミョンヒ産業通商資源部通商交渉本部長を支持し、ナイジェリアのヌゴジ・オコンジョイウェアラ元財務長官に対する拒否権を行使したためだ。WTOの指導部も、ユ本部長の当選のために全力を傾けた韓国政府も、次のステップを決められずにいる。
韓国政府の悩みは、WTO一般理事会のデービッド・ウォーカー議長が28日(現地時間)、オコンジョイウェアラ候補がより多くの支持を集めたと発表したことから始まった。コンフェッション(Confession)と呼ばれるWTO事務総長選出手続きは、一般選挙のように得票数ですべてが決まる構造ではない。一般理事会議長と紛争解決機構(DSB)議長、貿易政策検討機構(TPRB)議長の3人が、加盟国の支持だけでなく、各候補に対する支持国の地域的分布および経済的水準まで総合的に考慮し、最終候補を推薦する。ある候補が他の候補より圧倒的な劣勢に立たされない限り、どれほど広範囲な支持を受けたかによって、勝負を覆す可能性もある。そのような背景から、ユ候補は全体の得票力においては後れを取ったものの、北米や中南米、アジア、中東などで広く支持を確保したことを基盤に、韓国人女性としてWTO事務局長という夢を見ることができた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領とカン・ギョンファ外交部長官だけでなく、各公館でも最後まで全力を尽くした。
しかし、ユ候補が予想より支持を集められなかったことが分かり、韓国政府は29日から今後の対策についての議論を本格的に始めた。WTOの推薦を受け入れてユ本部長が辞退する案と、米国の支持が確固なだけに辞任せず逆転を狙う案をめぐって検討が行われた。外交部当局者は30日、記者団に対し今後の手続きについて「どうするか内部で検討中」とし、「総合的に状況を検討している」と述べた。前日、外交部のイ・ジェウン副報道官は定例ブリーフィングで「今後の手続きについては内部検討が進められており、韓国政府は加盟国の立場と期待、WTO事務局長選出手続きを尊重しながら、総合的な判断をしていく計画」だと明らかにした。
ひとまず、外交部と産業部は、形勢が傾いたうえに米国の一方主義に反感を示す国もある点を考慮し、ユ候補が辞退する方向に重きを置いているという。米国だけを信じてねばるわけにはいかないと判断したのだ。加盟国の全体合意(コンセンサス)で最終的に選出される事務局長選挙で、米国が拒否権を行使すれば結論を出すことは難しいが、この過程で米国がWTOを事実上マヒさせているという批判が韓国政府に向けられかねない。一般理事会議長が他の候補を推薦した以上、ユ本部長の“美しい退場”が国際社会の慣例上、自然な形であるという認識も、外交部と産業部側の判断に働いたものとみられる。
大統領府では、11月9日の特別一般理事会まで時間と協議手続きが残っているのに、先に白旗を掲げるわけにはいかないという意見が多いという。米国がユ本部長を全面的に支持する状況で、韓国政府が途中下車の方針を決定することは不適切だという雰囲気も読み取れる。実際、大統領府関係者は29日、記者団に対し「まだ特別理事会など公式の手続きが残っている」と述べた。最終方針は近いうちに関連省庁の意見を総合的に検討して出されるものとみられる。ユ本部長が辞退する方向で結論が出た場合、韓国政府が米国にも“退却”を要請し、了解を求めるというぎこちない状況が演出される。海外メディアは29日、ユ本部長側が辞退の意向など今後の計画についての質問に、立場を明らかにしなかったと報じた。
これに先立ち米国は28日、加盟国会議でオコンジョイウェアラ候補の選出に反対する一方、米国通商代表部(USTR)を通じて「次の事務局長に韓国のユ・ミョンヒ本部長が選出されることを支持する」という声明を発表した。米国は先週末ごろ、ユ候補に対する全面的な支持を表明し、最後まで韓国政府に辞退しないことを要請したという。
このような米国の拒否権行使に、WTO側も明確な対応策を出せずにいる。海外メディアは、WTOが各加盟国の投票を通じて米国の拒否権を棄却する案と、11月3日の米大統領選挙の結果を見守った後、行動を決める案をめぐり悩んでいると報じた。
こうした中、オコンジョイウェアラ候補は29日(現地時間)、ツイッターに「加盟国の間で最も大きく幅広い支持を受けて候補者と宣言された点をとても謙虚に受け止める」とし、「一時的な支障(hiccups)にもかかわらず、我々は11月9日、次の段階に移る」と書き込み、注目を集めた。誰も予想できなかったWTO事務総長選挙のジレンマは、まだ終わりが見えない。
キム・ジウン記者
コメント総数;84
1.アメリカの意図は違うと思います。
アメリカが分析していたら、ナイジェリアの候補で確定しているのは分かりますね。
韓国候補を公に支持することで、ナイジェリアの候補に対して、無言の圧力をかけることができます(バックにいる中国かもしれません)。
また、韓国に対して、貸しを作ることができる(レッドチーム行きのけん制)。
アメリカとしては目的を達しているので、選挙の結果はどっちでも良いことです。
2.逆転に懸けるとしたら、世界に向けてダダをこねると言う事か。
まぁ確かに韓国の歴史上、潔かったことは一度も無い。
友好国が出来ない理由でもある。
3.大国の1票で結果が左右されるならもう公正な国際機関ではないと思う。
韓国はみっともない。
選出は全会一致が基本だが、それは劣勢の候補が辞退するからこそ成り立つ。
劣勢の候補がいつまでも残っていれば100年経っても全会一致なんて無理だ。
極論するなら、我国と韓国とではモノの観方・考え方が殆ど対称的と言えまいか。そんな気がした記事である。「反日(anti-Japan)」を国是(?)とする限り、韓国は未来永劫我国を凌駕出来ないだろう。なぜなら、アンチとは「(対象の)否定」だからだ。スポーツ・武道をはじめ何事もそうだが、「おのれより相手が格上(強い・優秀)」という認識がなければ〝超えよう″とか〝勝ちたい″などという感情にはならない。つまり、相手を認めて(肯定)こそ、初めて「超克」出来るのである。
この件に関し、米国の横ヤリで全会一致出来なかったものの、だからと言って時が経てば韓国に「勝利」が転がり込むはずもない。勝ち目がない以上早々に〝名誉ある撤退″を考えるのが日本人とすれば、負けが決まったわけではないと結果を認めたがらないのが韓国人ではなかろうか。
ナイジェリア人対韓国人の対戦か。とにかく、「勝ち方」より「負け方」のほうが難しい。スポーツ界でよく言われる言葉として、「強豪より弱小相手のほうがやり難い」とは真にこのことだ。
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