ベルギー下院、台湾の国際参加を支持する議案を可決
賛成130反対0
配信日時;2020/07/17 14:30/中央通訊社(台湾)
(ブリュッセル中央社)ベルギー連邦議会下院は16日、台湾の民主主義の発展と国際参加を支持するよう政府に呼び掛ける議案を賛成130、反対0、棄権13で可決した。駐欧州連合(EU)兼駐ベルギー代表処の曽厚仁(そうこうじん)代表(大使に相当)は、この結果に感謝するとともに、その他の欧州諸国の国会にもこの流れが広がることに期待を示した。
同議案には、台湾の世界保健機関(WHO)や国際民間航空機関(ICAO)、気候変動枠組み条約などへの有意義な参加をベルギーやその他の欧州諸国が支持する▽台湾との関係強化や協力分野の拡大をEUに促す▽ベルギーと台湾の交流を引き続き強化する――など7項目が盛り込まれた。
文中では、EUと台湾が民主主義や法治、人権などの価値を共有していると強調。また、新型コロナウイルスの世界的流行によって、台湾が保健衛生事務の多国間協力に参加することの必要性が明らかになったと指摘している。仏語系キリスト教政党(CDH)のジョージズ・ダルマーニュ議員と蘭語系キリスト教政党(CD&V)のエルス・ファン・ホーフ議員が連名で提出した。
会期内にはこのほか、台湾を国家として承認することを求める議案も提出された。同議案は否決されたものの、台湾支持の勢力は確実に強まっている。
(唐佩君/編集:塚越西穂)
以上は、台湾の通信社『中央通訊社』日本語サイト「中央フォーカス台湾」から転載した記事である。我国とは直接関係ないニュースなので、当然ながら日本の新聞は何処も報じていない。にも拘わらず、なにゆゑ採り上げるかと言えば、我国も台湾も先の大戦戦勝国が謀った「戦後レジーム(体制)」に苛まれ続ける現状が似ていると感じたからだ。日本がアメリカなら、台湾は中国国民党という違いがあるものの、日本・台湾両国民の意に添わぬ「体制」を強いられたことには変わりがない。
記事で注目したいのが、【EUと台湾が民主主義や法治、人権などの価値を共有している】との文言である。台湾の場合、邪悪な中国(国民党+共産党)との違いを鮮明にする意味からも、積極的かつ肯定的に摂取したと思われる。しかし我国の場合、「法治」はともかく同じ「民主主義」「人権」でも、西洋的価値観とは微妙にニュアンスが異なる。
つまり、西洋のそれらは、尽くゲゼルシャフト(利益社会)型個人主義から、導き出された概念である。したがい、行き過ぎると排他・排外的な利己主義が跋扈しかねない負の側面を孕んでいる。一方、我国は多分に伝統的なゲマインシャフト(共同体社会)生活習慣が残っており、かつ集団(家族)主義的社会でもある。ゆゑに、西洋流個人主義とは対極をなす利他的なゲマインシャフト集団利益優先指向が強い。自分に「権利」があるなら、他人にも同等の「権利」があると認識して、異質な他者の存在を認める至高の「人権」にまで昇華する。血筋に刻まれた我国古来の〝シラス思想″が、無意識のうちにもそうさせるのだろう。断わっておくが、〝シラス思想″の体現者は、皇室及び伝統的な暮らしを営む一般庶民であり、所謂支配者層(政財官・マスコミ)は既に西洋・中共どちらかのウシハクに篭絡せられている。
台湾の場合、(はっきり言ってアメリカ式の)西洋的価値観をそっくり直輸入したに過ぎず、我国とはかなり事情が異なる。自分は「西洋=ゲゼルシャフト=ウシハク社会」と考えている。だから、アメリカも中国国民党も中国共産党も「ウシハク」という意味で、根は〝同じ穴のムジナ″なのである。親日台湾友邦を悪く言いたかないが、ウシハク国家の正体(危険性)を早く見抜いて欲しいと切に願う。が宜なるかな無理でしょうね。凡そ半世紀(1895‐1945年)の日本統治を経験したとはいえ、「シラス」「ウシハク」の言葉すら知る人は殆ど居なかろうから。
シラス=知らす(しらす);出典『古事記』・・・國産み神話より
=万物を集団の共有物と見做す考え方
=万民平等を基調としたゲマインシャフトの論理
=互助互恵・共存共栄型社会の構築
=富の公平分配=国民総中流意識の実現
ウシハク=主人履く(うしはく);出典『古事記』・・・大国主命の國譲り神話より
=万物を主人の私有物と見做す考え方
=ゲゼルシャフト型西洋個人主義的強者の論理
=マルクス主義的階級対立社会の現出
=支配者層による富の独占=国民間の貧富格差拡大と相互不信増幅
今や我国は、右(対アメリカ)も左(対中国)も「忖度」流行りである。古来、他人の気持を慮ることを「忖度」と称して美徳の一つとされてきた。そんな麗しき言葉を、媚米派・媚中派どもに遣わないでもらいたい。幕末・維新以来の〝独立不羈″は、何処へ行ってしまったのだろう。
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