遠山の金さん

 

　人気時代劇シリーズ第6位は『遠山の金さん』。大岡越前守忠相（1677-1752年）と人気を二分する江戸町奉行の遠山金四郎景元（1793-1855年）をモデルとするドラマである。有名な歴史上の人物だけに、テレビ創成期から数多くドラマ化されている。

　01.金四郎江戸桜（NHK；昭和32年）
　　坂東好太郎主演／全29話；30分番組

　02.遠山の金さん捕物帳（フジテレ；昭和35年）
    夏目俊二主演／全12話；30分番組

　03.講談ドラマ遠山の金さん（NHK）
    坂東鶴之助主演／全4話；30分番組

　04.遠山の金さん（日テレ；昭和42年）
    市川新之助主演／全11話

　05.遠山の金さんシリーズ
    ・★遠山の金さん捕物帳（中村梅之助版／全169話；NET；昭和45年）
    ・★ご存知遠山の金さん（市川段四郎版／全51話；NET；昭和48年）
    ・★ご存じ金さん捕物帳（橋幸夫版／全27話；NET；昭和49年）
    ・遠山の金さん（杉良太郎版／全131話；NET→テレ朝；昭和50年）
    ・遠山の金さん（高橋英樹版／全198話；テレ朝；昭和57年）
    ・名奉行遠山の金さん（松方弘樹版／全219話；テレ朝；昭和63年）
    ・遠山の金さん（松平健版／全9話；テレ朝；平成19年）

　06.江戸を斬るⅡ～Ⅷ（TBS；昭和50年）
    ・★Ⅱ-Ⅵ（西郷輝彦主演）
    ・Ⅶ-Ⅷ（里見浩太朗主演）
                                                    註）★印は所有しているる番組

　定番のべらんめえ口調と桜吹雪の入墨がおのれの趣味に合わないゆゑ、大岡越前ほどの興味もなく、録画しただけでロクに視もせず殆どオクラ入りしているのが実情である。いろんな役者が演じているけど、『遠山の金さん』といえば、映画なら片岡千恵蔵、テレビなら中村梅之助のイメージですね。その他の役者は。何となく違和感がある。ご参考までに片岡千恵蔵主演の映画版も載せておこう。全18作もあるのですね。

　　片岡千恵蔵主演の東映時代劇シリーズ

　　　1950 いれずみ判官　桜花乱舞の巻（東横）
　　　1950 いれずみ判官　落花対決の巻
　　　1951 女賊と判官
　　　1951 お馴染み判官　あばれ神興（エノケンプロと東映）
　　　1952 飛びっちょ判官（東映）
　　　1954 血ざくら判官 （〃）
　　　1955 ★勢ぞろい喧嘩若衆 （〃）
　　　1955 ★喧嘩奉行 （〃）
　　　1955 ★荒獅子判官（〃）
　　　1956 ★長脇差奉行（〃）
　　　1957 ★海賊奉行 （〃）
　　　1957 ★はやぶさ奉行（〃）
　　　1958 火の玉奉行 （〃）
　　　1959 たつまき奉行 （〃）
　　　1959 ★江戸っ子判官とふり袖小僧 （〃）
　　　1960 ★御存じいれずみ判官（〃）
　　　1961 さいころ奉行（〃）
　　　1962 ★さくら判官 （〃）
                                                      註）★印は所有している作品

　あまり好きでないと言いながら、結構保ってるな。同じ江戸町奉行を勤めた大岡忠相とよく比較される。しかし、大岡が第八代徳川将軍吉宗の意を受けた「享保の改革」などの幕政の具現者だったのに対し、遠山の幕政との繋がりはあまり話題に上らない。したがって、一奉行の個人的な物語にならざるを得ず、歴史的政策・事績・事件などほとんど出て来ない。自分が大岡忠相のほうに与するのは、誰もが知ってる歴史上の出来事とも連動して物語が展開するからに他ならない。