年末年始にかけて生来の怠け癖が頭をもたげ、筆を執るのが億劫になって一箇月以上も更新を怠けてしまった。このままでは1月度記事が皆無となり、甚だ都合が悪い。そこで姑息な動機で多少気が引けるものの、アリバイ工作的に1ポスト記事を残しておく。
現役時分、春の黄金週間、夏(旧盆)休み、年末・年始の三大連続休暇は、旅行に出かける絶好の日次だった。このため、結構忙しかったものである。ところが今や一年中が休日状態。休日の有り難さは薄れ、連日無為徒食の放蕩三昧。結局ひと月あまり、何をしてたかというと、録り貯めた放送録画の再視聴が唯一の日課というありさま。それも昭和40年代にNET系で放映されたTV時代劇に収斂されてしまう。
☆ 新選組血風録(昭和40年)
☆ 用心棒シリーズ全四作(昭和42~44年)
☆ 天を斬る(昭和44年)
☆ 軍兵衛目安箱(昭和46年)
調べてみると東映京都テレビプロが全てに関わっており、、当然ながらスタッフ(監督、脚本、音楽など)やキャストにも共通するものがある。
・監督;佐々木康、河野寿一、松尾正武など
・脚本;結束信二
・音楽;渡辺岳夫
・常連準常連:栗塚旭、島田順司、左右田一平、小田部通麿、西田良、香月涼二、
船橋元、遠藤辰雄、中野誠也など
脚本の結束信二は既に採り上げたので、今回は音楽担当渡辺岳夫(1933-1989)を記事にしよう。知らなかったが、作曲家渡辺浦人(1909-1994)の長男なのだとか。父親と違って著名なクラシック作品は遺していない。どちらかといえばテレビアニメ音楽で活躍した人という印象が強いが、上記作品のほかにも「まぼろし探偵」(昭和34年:ラジオ東京=現TBS)、「ザ・ガードマン」(昭和46年以降;TBS)、「大いなる旅路」(昭和47年;日テレ)などがある。
なお、「まぼろし探偵」で劇中音楽を担当しているが、主題歌は父親渡辺浦人作曲なので親子共作というわけ。当時(小学六年生)は九州大分在住だった。唯一の民放局OBSはTBS系列だったものの放送されずテレビ版をリアルタイムで視たわけではない。けれども、ラジオでも(確証はないが、おそらく)同じスタッフ・キャストで同時放送されていたため、これを愉しみに聴いていた記憶がある。無論、桑田次郎原作『少年画報』版漫画も読んでよく知っている。つひにはDVD版まで買ってしまった。どうでもいいけど、子役時代の吉永小百合、藤田弓子、童謡歌手渡辺典子さんらのご尊顔を拝し奉ることができて嬉しい。
「まぼろし探偵」は子供向け番組だから当然だけど、最初に戻ってNET系一連の時代劇の場合、陰鬱な悲劇調が多い物語は決して子供が理解できる内容ではないにも拘わらず、子役がよく登場する。しかも、わらべ歌や唱歌風のメロディが使われている。この音楽が効いていて、郷愁を誘われ妙に懐かしい気分にさせてくれる。要するに「浪花節的(泣かせる)」音階なのである。こうしたメロディがTVドラマ・時代劇から消えて久しい。
NET-TV系『用心棒シリーズ』主題歌(オーケストラバージョン)
作曲;渡辺岳夫
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