本日はクリスマスイブ。子供の頃、サンタさん(「父親」とは知る由もなかった)のクリスマスプレゼントを貰うため、巨大な靴下を枕元において寝たものである。我家はクリスチャンではないが、父方従兄弟たちはみんなカナダに在った。そんな関係で昔から他家よりクリスマスを盛大に祝った。今年はたまたま天皇誕生日から続く三連休とカレンダーの巡り合わせがよいようで。そんなわけで、クリスマスの音楽を採り上げてみよう。
ただし、『聖しこの夜』『諸人こぞりて』などのクリスマスキャロルや『ジングルベル』『赤鼻のトナカイ』『ホワイトクリスマス』といったポピュラーなクリスマスソングは省いて、純クラシック(古典音楽)のみを話題にしようという趣向なわけ。更に、勝手ながら所有する音盤しか扱わないこととする。
1..205153(独Documents;mono 1934年録音)
エリザベート・シューマン(ソプラノ)管弦楽伴奏
2..205156(独Documents;mono 1936年録音)
カール・エルプ(テノール)ピアノ伴奏
3..205158(独Documents;mono 1924年録音)
エリザベート・レートベルク(ソプラノ)バイオリン&ピアノ伴奏
4.OCD2090(音楽之友社;mono 1909年録音)
ユリア・クルプ(コントラルト)ピアノ伴奏
クリスマスソングの一つに挙げられる著名曲だから、やや趣旨に反するものの我がシューベルトさんの作曲なので許してもらおう。聖母マリアへの讃歌なれば、若い女声より円熟した小母さん声のほうがふさわしい。したがって4盤がベストかも知れないけれど、ラッパ吹込機械録音ではなにぶんにも音が貧しすぎる。その点、管弦楽伴奏の遜色をもつとはいえ、1盤が最も安心して聴ける。宗教的感動もこれが一番。
シューベルト『アヴェマリア』D839
エリザベート・シューマン(1934年録音盤)
* ヘンデル『オラトリオ“救世主(メサイア)”』 *
5.439-702-2(独グラモフォン;stereo 1964年録音)
カール・リヒター指揮ミュンヘンバッハ管弦楽団、合唱団
ギュンドラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)、マルガ・ヘフゲン(アルト)
エルンスト・ヘフリガー(テノール)、フランツ・クラス(バス)
ドイツ語歌詞に遜色あるものの、華麗な英国風とは一味違ったドイツ流重厚なヘンデルが聴ける。祝典曲にしては、やや重すぎるかも知れない。それでも、ヤノヴィッツの清らかな歌声が気に入っている。
* バッハ『クリスマス・オラトリオ』 *
6.413-625-2(独アルヒーフ;stereo 1965年録音)
カール・リヒター指揮ミュンヘンバッハ管弦楽団、合唱団
ギュンドラ・ヤノヴィッツ(ソプラノ)、クリスタ・ルートヴィヒ(アルト)
フリッツ・ヴンダーリヒ(テノール)、フランツ・クラス(バス)
7.459-017-2(独グラモフォン;mono 1955年録音)
フリッツ・レーマン指揮ベルリンフィル
ベルリンモテット合唱団、RIAS室内合唱団
グンティルト・ウェーバー(ソプラノ)、ジークリンデ・ワグナー(コントラルト)
ヘルムート・クレブス(テノール)、ハインツ・レップス(バス)
両盤とも冒頭合唱曲だけしか聴くことはない。約三時間ぶっ通しで聴くのは、さすがにへこたれる。
* バッハ『カンタータ第36番』 *
8.0090912BC(独ベルリンクラシックス;mono 1952年録音)
ギュンター・ラミン指揮ライプチヒゲヴァントハウス管弦楽団
聖トーマス教会聖歌隊
エリザベート・マイネル=アスバー(ソプラノ)、聖トーマス教会聖歌隊員(アルト)
ロルフ・アプレック(テノール)、ヨハネス・エーテル(バス)
待降節用カンタータ。ただし、待降節は概ね12月なのでクリスマス音楽に準じて採り上げる。全曲通じて幸福に満ち溢れた佳曲である。バッハ教会カンタータの中でも大好きな曲。とりわけ天使の歌声としか喩えようのない第4曲コラール(衆讃歌)が心を洗われる。
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