今日から8月である。月間カレンダーを捲って一瞥したら、11日(木)が赤色(休日)になっている。朱書きで「山の日」とある。現役を退いて10年以上経ち、毎日が休日の我身には関係ないけど、何時から休日になったのだろう。何でも8月だけ祝祭日がないとの理由で、急遽拵えたとかのニュースをネット上で見かけた気もする。
良くも悪くも日本的な出来事ではないか。11日は旧盆休暇(夏期休業)直前に当たる。この日を含めて大型連休を取りやすくした立法府の親心であろう。思えば「勤勉」という誇るべき国民性を有して奇跡的な高度経済成長を果たすや、これを妬む諸外国(はっきりいって欧米先進国)により「日本人は働き過ぎ」の謂われなきレッテルを貼られた。この外圧に屈した我が政府は、【国民を働かせない】ための実に不可解な政策を導入する。「完全週休二日制」「祝祭日拡張」など、表面上は歓迎すべき方策なれど“副次効果”が酷かった。時間外労働・休日出勤などは厳禁され、会社ぐるみで働くこと自体が罪悪であるかのような環境作りに励むありさま。結果どうなったか? 推して知るべし。
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前稿におけるドラマ今昔の違いを、伝統的な【浪花節(義理人情説話)】に則っているか否かのひと言で片付けた。甚だ手前勝手な極論に過ぎないものの、まんざら的を外した指摘でもなかろう。
それで以て、録画したTVドラマ・映画をモバイルHDDに落とし、気に入ったものは旅行先まで持ち歩いている。けれどもドラマは昭和40年代、映画なら昭和30年代までに限られてしまう。このことは、ドラマ・映画の類を視(観)なくなった時期と奇しくも一致する。主として時代劇が中心なのだが、面白いことに気付いた。ドラマ・映画とも[東映]が関わった作品が多い。もちろん、CS218東映チャンネルを契約している特別な事情もあるが、おのれの好みと合致するからに他ならない。
前稿で採り上げた『琴姫七変化』は松竹、大好きな『鬼平犯科帳(松本幸四郎版)』も東宝制作とあって前述とは甚だ矛盾するが、とりわけ結束信二(東映脚本家)が書いた作品の多さに改めて驚かされた。以下に保有作品のみを列記すると、
☆ 東映時代劇映画(一部作品参加を含む)
『旗本退屈男』(主演;市川右太衛門)シリーズ
『月笛日笛』(主演;伏見扇太郞)シリーズ
『天兵童子』(主演;伏見扇太郎)シリーズ
『鞍馬天狗』(主演;東千代之介)シリーズ
『人形佐七捕物帖』(主演;若山富三郎)シリーズ
『柳生武芸帳』(主演;近衛十四郎)シリーズ
☆ 東映TV時代劇
『新選組血風録』(昭和40年;NET)
『俺は用心棒』全4シリーズ(昭和42年;NET)
『天を斬る』(昭和44年;NET)
『花のお江戸のすごい奴』(昭和44年;関西テレ)
『燃えよ剣』(昭和45年;NET)
『軍兵衛目安箱』(昭和46年;NET)
『隼人が来る』(昭和47年;フジ)
『桃太郎侍』(昭和51年;日テレ)
ざっとこんなところ。要するに劇中では誰も涙を見せないのに、視る側を共感や感動で泣かせてしまう仕掛けになっているのですよ。全てがそうとまで言えないけれど・・・。なかでも『俺は用心棒』シリーズが、モノクロ映像と相俟って素晴らしい。第4作しか保ってないけど、栗塚旭、島田順司、左右田一平のトリオが、各々性格の異なる人物を演じて佳い味を出している。後年のTV時代劇に比べると、恐ろしく男っぽい。それも在りがちな直にヴァイオレンス(暴力)と結びつく男ではなく、平常は寡黙ながら一旦緩急あらば凄味の利く男(つまり「ホンモノの武士」)なのだ。今月より、東映チャンネルで『俺は用心棒』(第1作)と『待っていた用心棒』(第2作)が同時に始まる。愉しみだなぁ。
おとこ独り ~ 『俺は用心棒』シリーズ主題曲 ~
作曲;渡辺岳夫
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