昨日、ネット上のニュースを閲覧していたら、面白い記事が見つかった。
NHK世論調査結果概要(平成27年7月7日付)
要約すると、若者を中心に幅広い年齢層でテレビを視なくなっている(視聴者のテレビ離れが進んでいる)、ということ。情報メディアが多元化した時代の流れもあるが、「第四の権力」に驕り高ぶったテレビ局の偏向ぶりに、視聴者が拒否反応を示した結果と言えよう。視たい番組が皆無なのだから、至極当然の帰結である。
自分など、昔(昭和期)のドラマ録画専用にチューナーを保有しているようなもの。特に地上波は酷い。かつて、大宅壮一が『一億総白痴化』なる流行語を生み出したが、まさにそれを地で行く低俗番組の連続である。果たして、氏の予言(?)は的中したか。答えは否。皮肉にも、送り手側のテレビ局が自身の「白痴化」を露呈しただけである。一方、受け手側の大多数の賢明なる視聴者(=国民)は、テレビ界の堕落を早々に見抜き、そのため何ら影響を被ることもなく、テレビ出現前とほとんど変わらない。
“公明正大”を叫ぶは易く行うは難し。これが現実であるからして、微細な“偏り”まで論うつもりはない。しかし、テレビ局をはじめとするマスコミ界が、挙って偏った情報を垂れ流しておきながら、表向きは“公正”を装っているから許せないのだ。
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さて、前稿でストラヴィンスキー『春の祭典』を採り上げた。妙な表現になるが、新しいクラシック(古典音楽)曲という意味で、ホルスト『惑星』についても書いておかねばなるまい。
初めて『春の祭典』を聴く前から、ストラヴィンスキーの名前ぐらいは知っていた。たぶん、音楽教科書で知ったはず。ところが『惑星』の場合、曲名はおろか作曲者ホルストの名前すら知らなかった。テレマンやブルックナー、マーラー然り。学校の音楽授業での取扱有無が大きく影響しているように思う。
『惑星』を知ったのは、FM東海のCMにて。新譜レコードのコマーシャルが盛んに流されていたうちの一つ。カラヤン指揮ウィーンフィル(1961年ステレオ録音)盤だったから、おそらくは高校一年生(昭和38年)の頃だろう。CMなので、出だしの数小節だけしか聴いてないが、映画音楽みたいな聴感だったので、ついつい惹き寄せられてしまった。
ただし、実際に買ったレコードは、プレヴィン指揮ロンドン響(1973年ステレオ録音)盤。鴻巣営業所勤務時代(昭和48年~50年)、代用社宅の一軒家でパイオニア製ステレオコンポのボリュームを上げて聴いていたら、お隣りさんから苦情がきたのをよく憶えている。プレヴィンは映画音楽分野で活躍していた人。そうした趣味からの選盤だったのだろう。が、家捜ししてもこのレコードだけ見あたらず、遺憾ながら今では聴くこと能わず。
所蔵CDは以下のとおり。
1.仏LYS
グスタフ・ホルスト/ロンドン交響楽団
・1926年モノラル録音
2.仏LYS
アルバート・コーツ/ロンドン交響楽団
・1926年モノラル録音
3.仏LYS
エードリアン・ボールト/BBC交響楽団
・1945年モノラル録音
4.米ウェストミンスター
エードリアン・ボールト/ウィーン国立歌劇場管弦楽団
・1959年ステレオ録音
5.英デッカ
ヘルベルト・フォン・カラヤン/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
・1961年ステレオ録音
6.英EMI
エードリアン・ボールト/ロンドンフィルハーモニー管弦楽団
・1978年ステレオ録音
ホルスト自作自演盤は、話のネタに持ってるだけ。音が酷くて鑑賞に堪えない。専ら、ボールト/ロンドンフィル盤を愛聴している。音楽(芸術)性に満ちた演奏と優秀録音が相俟って、この曲のベスト盤。そこへ行くと、最初に耳にしたカラヤン盤は、今聴くとそれこそ映画音楽風の安っぽい響きがどうしようもない。
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