今日はえらく肌寒かった。1989年12月に再訪泰したときが最も寒かったが、それに次ぐ寒さである。太陽が最も遠ざかる冬至の頃に気温が下がるのは、当たり前と言えば当たり前。ただ、寒いといっても真夏の装い(半袖スタイル)をしているからであって、日本の真冬とはまったく趣が異なる。
気象庁(日本)の予報では、チェンマイ地方の最高気温が20℃となっていた。タイの天候に関する限りにおいて、気象庁の予報は概して当てにならないが、曇天のせいか午後になっても気温は上がらず、体感温度からしてそんなものだったに違いない。
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14.MP3;สุดยอด ลูกทุ่งไทย 1
アルバム名を直訳すると【タイ・ルークトゥンの頂点第1巻】。たいそうな触れ込みだ。ただし、自分が知ってる有名曲は、60曲中一曲たりともなかった。それでも、一部に駄作もあるにはあるが、概ねこれぞ“タイの歌謡曲”といった風情の佳曲が中心。買って後悔はない。
しかしですねぇ、320Kbpsを奢るのはいいが、如何せんカセットテープから起こしたもののようで、テープヒスや音揺れ音割れ等がひどく、とても商業ベースに乗るような代物ではない。出版元も判然としないし、ひょっとして海賊版なのかも。帰国時、日本の税関に没収されないだろうか。俄に心配になってきた。 (既にMediaGoでPCに取り込んでありますけどね)
ではいつもどおり、歌手名を列記しておきましょう。
สายัณห์ สัญญา(サヤン・サンヤー♂)2013年没;享年60歳
ยอดรัก สลักใจ(ヨードラック・サラクチャイ♂)2008年没;享年52歳
เสรีย์ รุ่งสว่าง(セリー・ルンサワン♂)現在59歳
ศรเพชร ศรสุพรรณ(ソンペッチ・ソンスパーン♂)2010年重度肺水腫で入院
พุ่มพวง ดวงจันทร์(プムプアン・ドゥアンチャン♀)1992年没;享年30歳
แวว มยุรา(ウェウ・マユラー♀)1989年没;享年27歳
以上六人。ただし、ウェウさんはデュエット曲にしか参加してない。如何ですか、ルークトゥン界を代表する垂涎の豪華顔ぶれ。ただ、6名中現在ご存命の方はお二人のみ。長寿大国日本から観ると、タイは遙かに短命である。
幾曲か聴いてみましょう。
57.ใครคนหนึ่ง(独りぼっちは誰)
by พุ่มพวง ดวงจันทร์(プムプアン・ドゥアンチャン)
プムプアンさんは国民的人気の大歌手であるものの、晩年(30歳)は美空ひばり並みのプロズレした姉御風歌い方が鼻に付き、どうも好きになれなかった。しかし、この曲は趣がまるで違う。比較的初期の作品なのか、歌い崩しもなく素直に歌ってるのがいいですねぇ。美空ひばり同様、この人にもこんな初々しい時期があったとは。
18.อ่างทองระทม(心を痛める金盥)
by ศรเพชร ศรสุพรรณ(ソンペッチ・ソンスパーン)
この人は甲高い歌唱法に特徴があって、好き嫌いの分かれるところだが、それが曲想に合致した場合、一種独特の効果をもたらす。この曲がよい見本である。
22.เสียรู้เสียรัก(忘却失恋)
by ยอดรัก สลักใจ(ヨードラック・サラクチャイ)
ヨードラックさんは歌唱法に妙なクセがなく、素直に歌っているところが気に入って、好きな歌手の一人である。まだルークトゥンに興味がなかった1989年の初訪泰時、早くもこの人のカセットテープを買っている。もちろん、誰かに勧められてだろうが。なお、この曲はサヤンさんがオリジナル歌手みたい。
24.ไทรรากด้วน(榕樹の切り株)
by สายัณห์ สัญญา(サヤン・サンヤー)
この曲はまともに歌っているが、曲によっては作ったような甘い歌声をみせるときがある。晩年ほどその傾向が強い。ソンペッチさんとは別の意味で好き嫌いが分かれるところだ。その一点を除けば、決して嫌いな歌手ではない。
ソロで歌うウェウさんはリストにないけど、どんな歌声か聴いてみません?
*ご参考* สุริยันจันทรา(お日様お月様)
by แวว มยุรา(ウェウ・マユラー)
うわ~ぁ、レコードですか。没年からして1989年(平成元年)以前とすると、カセットテープまたはレコードのアナログ時代だったわけですね。歌唱法も今風な歌い方とはまるで違う。タイ国だから有り得ない話だが、何となく“昭和”の香りが漂ってくるようだ。
以上、おしまひ。
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