さきほど、またぞろチェンマイプラザホテル傍の「だるま」で昼食を済ませた。知らなかったけど、ホームページまであるんですねえ。店内に高崎だるまが飾ってあるし、カレンダーの広告は太田市の企業名が見える。したがって、群馬県出身のオーナーかと思って訊いてみたら、郷里は名古屋ですって。
店内にあるそれらの物品は、いずれも然る常連客の寄贈品だとか。そう言えば、以前は「なごや」という店名で営業してました。更にその前の屋号が「カオサン」だったことを話すと、『お客さん、ずいぶん昔のことをご存じですね。こちらにお住まいの方ですか。』などと逆に訊き返されちゃいました。
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さて、前稿《タイの懐メロを求めて》の続きになるが、タイ映画《わすれな歌》のエンディングに流れる歌はคิดถึงพี่ไหม(きとぅん・ぴぃ・まぃ)と称する曲。邦訳すれば【寂しい気持】だが、漠然とした寂しさではなく英語のDo you miss meに近いと思う。この英語は、“僕が居なくて寂しくないかい”という意味だそうで、それでこそ離れ離れの生活を余儀なくされた映画主人公夫妻の心境に合致する。
それで、“この映画をスラポン・ソムバッチャルンに捧ぐ”との字幕が出た直後に流れる歌だから、最初はスラポンがオリジナル歌手だとばかり勘違いしていた。映画ではก๊อต จักรพรรณ์(ゴット・チャクラパン)が歌っているらしいことが、後年になってわかった。
☆ ก๊อต จักรพรรณ์(ゴット・チャクラパン)版
この歌はタイの古典的な名曲らしく、いろんな歌手が歌っている。もしかしてエジソンがレコードを実用化(1877年)する以前から歌われていたのだろうか。いや、そんなはずはない。編曲のせいもあろうが、どことなくメロディラインに西洋近代音楽の影響を感じさせる。気になるオリジナル歌手はいったい誰だろう。録音の古さからこの人かな?
☆ ศรคีรี ศรีประจวบ(ソンキリー・シーパチュワ)版
タイ伝統楽器(日本で言えば三味線・尺八・琴など)の伴奏を従えた次のバージョンもなかなかですよ。
☆ สันติ ดวงสว่าง(サンティ・ドゥアンサワーン)版
☆ ทิว สุโขทัย(ティウ・スコータイ)版
西部劇映画に出てきそうなカントリー風のアレンジだが、却って十九世紀の旧き時代を想起させ、SP盤を聴くような懐かしさを感じさせてくれる。おそらく、'60年代以前の録音だろう。ひょっとしてこれがオリジナルなのかも。
【11月29日追記】
この曲を知ったきっかけがこの映画だったからかもしれないが、自分はゴット版が一番好みに合う。仮に、挿入歌としてティウ版が使われていたとしたら、ミスマッチの感を免れなかったろう。
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