外国の歌や曲ばかり採り上げすぎた。日本で最も好きな流行歌を問われれば、戦前の曲では迷わず『南の花嫁さん』(藤浦洸作詞/古賀政男作曲)を挙げる。なぜって、戦時という重苦しい時代に逆らって、明るく爽やかで健康的な曲感じゃありませんか。
戦中の歌なのに戦後生まれの私奴が知っているのは、ずっと後年の懐メロ番組からでは決してありません。戦時の兵隊さんに人気があったらしく、戦後も昭和20年代頃までは復員兵を捜す尋ね人のラジオ番組などがあって、盛んにこの曲がかかっていました。
☆南の花嫁さん-高峰三枝子1942(昭和17年)
一説によると、大東亜会議出席のため来日中だったビルマ(現ミャンマー)のバー・モウ将軍がこの曲の大ファンで、東条首相の計らいにより招かれた高峰さん自身が歌って喝采を浴びたとか。
ただし、もとを正せば日本のオリジナル曲ではない。
☆彩雲追月(任光作曲)-広東民族楽団1961
任光(れん・くぁん)は、上海百代唱片(現EMI)で音楽プロデューサーをしていた人で、『南の花嫁さん』が世に出る前年(1941)に戦死している。いわゆる睆南事変と呼ばれる国共内紛(武力衝突)で共産党新四軍自体が壊滅したため、そこの兵士だった彼も落命してしまったらしい。
原曲が二胡曲だから当然歌詞はない。しかし、『南の花嫁さん』のヒットに肖ってか、戦後になって華字圏では中文歌詞の歌が登場する。
☆幾度花落時-姚蘇蓉1969
歌詞をみると、思いを寄せる恋人を待つ歌に変わってますね。それに姚蘇蓉さんの演歌がかったやや重い歌声にもよるが、『南の花嫁さん』に期待する純情可憐な初々しさが完全に消え去り、これじゃまるで経験豊富な熟女が歌う別曲を聴かされた感じ、悪いけど。
この歌、タイ語でも歌われているんですよ。
☆เงารัก(影愛) - ต้อม ปุ้ย (トム&プイ)
花嫁が出てくるのに、タイ人気質とは裏腹な悲しげで切ない曲調ですね。やっぱり、心が和む高峰さんの『南の花嫁さん』が最高。
初めまして、今二胡でこの曲を習っているのでネットで調べてみたらここにたどり着きました。
参考にさせていただきます。
http://d.hatena.ne.jp/mm3493/
投稿情報: 松ちゃん | 2015年3 月 5日 (木曜日) 午後 10時11分