文革時、『白毛女(ぱいまおにゅ)』と並んで盛んに上演された演目の一つに『红色娘子军(ほんしー・にゃんつ-ちん)』がある。海南島の悪徳ブルジョワに虐げられた丫頭(下女)らが、紅軍娘子(婦人)部隊に集結し、女性解放を成し遂げてゆく物語。もちろん“作り話”です。
电影《红色娘子军》1960年より “娘子軍聯隊歌”
気合の入った女だらけ。か弱き男は震えあがりそう。女が怒ると怖いですからねえ。このフィルムがオリジナルだが、『白毛女』の場合と同じく、後にバレエに改編されて国外ではむしろ舞劇が有名になった。
舞剧版《红色娘子军》1964年より “娘子軍聯隊歌”
大した舞劇とも思えないが、付随音樂が組曲になっており、次の演奏とは内容が若干異なるものの、専らCD(香港盤)を愛聴している。
『红色娘子军』组曲
- 李心草指揮 中国貴州省貴陽交響楽団
どうでもいいけど、まるで曲目に合わせたかのように、女性軍が目立つ楽団ですねえ。
[追記]
丫頭(やぁとう)とは、本来、奴婢身分の婦女子を指す単語だが、形式的にせよ奴隷制度が無くなった現代中国文化圏では、巻き上げ髪(いわゆる姑娘スタイル)の若い女の子を意味する言葉に変化しているらしい。そして「丫頭」でネット検索したら、台湾の《黑Girl(へいがーる)》とかいうアイドルグループの詹子晴(ちゃん・つーちん)さんがヒット。なぜかと思ったら、愛称が“丫頭”とのこと。時代が変われば変わるものですねえ。
丫頭 - 空姐的誘惑
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