第三學年用第一四課「蟲のこゑ」
一、あれ、松蟲(まつむし)が鳴(な)いてゐる。
ちんちろちんちろ、ちんちろりん。
あれ、鈴蟲(すずむし)も鳴(な)き出(だ)した。
りんりんりんりん、りいんりん。
秋(あき)の夜長(よなが)を鳴(な)き通(とほ)す、
ああ、おもしろい蟲(むし)のこゑ。
二、きりきりきりきり、こほろぎや、
がちやがちやがちやがちや、くつわ蟲(むし)、
あとから馬(うま)おひおひついて、
ちよんちよんちよんちよん、すいつちよん。
秋(あき)の夜長(よなが)を鳴(な)き通(とほ)す、
ああ、おもしろい蟲(むし)のこゑ。
日本人の高度な感性を示す恰好の唱歌ですね。
松虫、鈴虫、蟋蟀、轡虫、馬追虫の鳴き声をちゃんと聞き分けているのであります。これは凄い。聞きかじり情報によると、外国人は、雑音(騒音)としか感じられないのだそうです。感度が良い人でも、せいぜい十把一絡げにして「虫が鳴いている」程度でしょうか。
以前に何処かで書いたかも知れませんが、お仏蘭西では日本の漫画ブームだそうですが、日本語を仏語訳する際、擬声語が多種多様なので、翻訳家が困っているらしいです。究極は、物音一つしない状態を「シ~ン」なんて表現しますね。音のない擬音など、フランス人には、逆立ちしても理解できないでありましょう。だからといって、品行方正な日本人は、決して「ざまあみろ」などと、はしたない言葉は発しません。
ありがとうございました。
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