4年ほど前、CS放送で観た。中学生のときに、観たことがあるので、その時との違いを含めて、気づいた点を記したい。
昭和35年制作松竹映画、総天然色、スタンダード映画、監督;小津安二郎、出演;笠智衆、三宅邦子、佐田啓二、久我美子、設楽幸嗣、東野英治郎、殿山泰司、沢村貞子、北林谷栄
(あらすじ)
テレビが普及し始めていた時代、街頭テレビのプロレスや野球に熱中する中学1年生と小学校3年生の兄弟は、親にテレビを買ってくれとせがむが、「子供は勉強しろ。無駄口たたくな。」と叱られる。兄弟は「大人だって、お早よう、今日は、いい天気ですね、と無駄なことばっかりいっているではないか」と反抗し、口をきかなくなる。学校でも口をきかないため、先生が心配して家庭訪問する。兄弟は頑張り続け、家を飛び出してしまうが、街頭テレビを見ているところを叔母さんの許婚者に発見され、家に戻る。そこに月賦で買ったテレビが置いてあったため、兄弟は急に元気になり、会話を復活する、というお話。
(気づいたこと)
① 子供の時との印象の違い
子供の立場で見たので、大人は身勝手だと
兄弟に共感していた。
今度は、知らず知らずに大人の立場で映画
を見てしまった。
「あんな子がいたら小うるさくてしょうがない」
② 性差別が、厳然とあったことを発見
「男なら女が腐ったようにぐずぐず言うん
じゃない」
「女、子供は養いがたし、ですな」
「男の子が台所に入るもんじゃありません」
③ 一家そろって、卓袱台に座って食事
をしていた。
④ 親子間でも、敬語が使われている。
きれいな日本語である。
⑤ 東急線沿線なのに二軒長屋の集合
住宅だった。
⑥ 夫が帰宅すると、妻が外套や帽子を
脱がせ、衣紋かけにかける。
夫は食後も黙って新聞を読むだけで、
家事はいっさい手伝わない。
子は親に従い、反抗は許されない。
要するに、役割分担が、明確な時代で
あった、ということ。
2006年2月22日(水)の記事
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