前稿で、〝力の支配(諸外国)″に対する〝和の支配(我国)″と書いた。表現自体が自分で考えたものだから、てっきりオリジナルな命名と思っていたら、世の中には似た思考の人も居るんですねえ。
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【公式】武田邦彦の「ホントの話。」第97回(26分45秒頃まで)
2021.10.12公開/トモダチTV
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武田氏は、もともと原子力関連の科学者で地球環境問題の専門家である。岡潔、藤原正彦など理科系学者ほど、伝統文化こそが我国の活力源とする保守系論者が多いのも面白い傾向である。自然科学系学問には、「ウソ」が通用しませんからね。決まった「法則」があるでない社会・人文科学分野で、、自説と称する「ウソ」や「騙し」が横行する学問とはわけが違う。
〝伝統文化″に対する〝伝統文明″なる言葉は存在しない。何故か?
【文明とは】
人知が進んで世の中が開け、精神的、物質的に生活が豊かになった状態。特に、宗教・道徳・学問・芸術などの精神的な文化に対して、技術・機械の発達や社会制度の整備などによる経済的・物質的文化をさす。
【文化とは】
人間の生活様式の全体。人類がみずからの手で築き上げてきた有形・無形の成果の総体。それぞれの民族・地域・社会に固有の文化があり、学習によって伝習されるとともに、相互の交流によって発展してきた。カルチュア。
上記は辞典上の定義だが、これにより「文化」には経済的・物質的文化(≒文明)と精神的文化の二面性があることに気付かされた。重要なことは、前者が時代とともに常にイノベーション(革新・改良)が加わるのに対し、後者は神代の昔から伝わるもので容易に変えられない、ということだ。したがい、西洋発「新自由主義経済(≒株主資本主義)」という経済文化を猿真似しても上手く行かないのは、我国の精神文化に合わないからではないのか。
【株主資本主義】
企業経営の理念として、株主利益の追求を最優先とする考え方。利益追求のための人員削減や、市場での規制緩和の働きかけなどが肯定される。公益資本主義(ステークホルダー資本主義)と対比される。
【公益資本主義】
企業を社会的存在ととらえ、株主の利益のみを優先するのではなく、顧客・取引先・地域社会などの利害関係者(ステークホルダー)全般への貢献を重視する考え方。
ここでまたぞろ持論の「シラス・ウシハク」論を出して恐縮だが、我国は世界唯一と言ってよいシラス国家である。ウシハク的文化を受け容れ難いのは当然であろう。
【シラス】-治らす-
人類を含む万物を自然界全体の共有物とする考え方。
互助互恵。共存共栄を目指す協調型社会(≒和の支配)↔利他的社会
【ウシハク】-主履く-
万物を主(あるじ;支配者)の私有物とする考え方。
私利私欲に塗れた弱肉強食の対立型社会(≒力の支配)↔利己的社会
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「シラス」と「ウシハク」
by 小名木善行
2019.06.07公開/CGSチャンネル
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尊敬や人望を集める人間とは、神や仏に近い人物ということだろう。我国は八百万神だから邪神悪鬼もおわしますが、一神教(例;基督教・回教)の場合、全知全能・完全無欠の存在である。人間の心は、神(仏)と悪魔(鬼)が同居していて、善いことをすれば悪いこともする。時と場合によって、神にも悪魔にもなれる生き物なのだ。善行と偽善は何処が違うか? 利他心(世のため人のため)から出た行為なら善行だが、利己心(私利私欲のため)からなら忽ち偽善となる。
東京オリパラで、世界中を感動させたのは、一心不乱に競技した選手も然ることながら、ボランティアとして関わったスタッフの日本流「おもてなし」であり「思い遣り」であった。なぜなら、利他心による行為だったからに他ならない。
世界の潮流は、対立の構図から国際協調路線へと変わりつつある。換言すれば、〝力の支配(ウシハク)″から〝和の支配(シラス)”を目指す方向性がはっきりしてきたということだろう。歴史の流れに背く思想的時代錯誤国家が所謂「特亜三国(中国・北朝鮮・韓国)」+αであることは言うまでもない。総じて「反日(中国語では「抗日」)」であるところがミソ。つまり、彼等にとって精神的にも政治的にも最も始末に困る存在が我が日本なのだ。何故か?
彼らのやること為すことの対極(反対側)に必ず日本が居るからである。しかも、日本側には、後ろ盾のように欧米先進国をはじめ、旧ソ連に痛めつけられた東欧諸国など世界各国が続々と集まってくるありさまにその意図はなくても〝対中包囲網″と映るのは必定。『弱い犬ほどよく吠える』の諺どおり、彼らが狂ったように口撃してくる事案は、逆に効果有りと観て粛々と実行すればよい。なぜなら、そこが彼らの弱点であり、日本の強さの秘密が隠されているからだ。「靖國問題」「歴史認識問題」「日米安保」「敵基地攻撃能力」etc.。彼らが怒り狂えば狂うほど、自信を以て実行すべし。
習近平ら独裁者の常として他人を信用しない。勢い何事も配下に任せられず、自分でやろうとする。しかも、人間である以上、失敗すれば過ちも犯す。それを配下に責任転嫁されては、誰も従う者は居なくなる。自分の地位を脅かすような有能な人材は政敵として追い落とす。人民に対しては脅して屈服させているだけだから、怨みこそ募れ国家や党に忠誠を尽くす者などほんの一握りも育たない。だからこそ、信頼や友情で結ばれた国際的な枠組み(恫喝が利かない諸外国国民や日台連携、クワッド、TPP)などを極度に怖がるのですよ。ここを衝かない手はないと思うなあ。
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