日本、台湾にワクチンをスピード支援!
菅首相の決断、安倍氏らも協力
石平氏「人道的にも道義的にも高く評価」
2021.6.4配信/夕刊フジWEB版
日本政府は4日、新型コロナウイルスのワクチン調達が難航する台湾に、英アストラゼネカ製のワクチン約124万回分を航空機で発送する。日台はこれまで、大規模災害などで相互に助け合ってきた。中国の妨害が懸念されるなか、菅義偉首相の決断に加え、安倍晋三前首相ら自民党議員も水面下で協力し、台湾側の「スピード重視」という要望に応えた。
「ありがとう日本」
台湾のネット上には、こんな書き込みが相次いでいるという。ワクチンを積んだ輸送機は4日、台湾に到着する。
これまで、新型コロナの抑え込みに成功してきた台湾だが、5月中旬以降、感染が拡大した。ワクチンの早期調達が求められるなか、中国の妨害工作が指摘された。
蔡総統は先月26日、与党の会合で、ワクチン購入について「ドイツのメーカー(バイオ企業ビオンテック)との交渉がほぼ完了していたが、中国の介入により契約できなかった」と語り、中国を批判した。
こうしたなか、台湾の駐日大使にあたる台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表と、駐日米国大使臨時代理大使のジョセフ・ヤング氏が5月24日夜、都内の代表公邸で意見交換した。
産経新聞4日朝刊によると、同席した薗浦健太郎元首相補佐官が「日本がアストラゼネカ製のワクチンを台湾に譲る動きもある」というと、ヤング氏は「グッドアイデアだ」と賛成したという。
薗浦氏の報告を受け、安倍氏は「すぐにやろう」と応じた。国有財産であるワクチンの譲渡は財務省の了解が必要となるため、麻生太郎副総理兼財務相に報告して、菅首相のゴーサインを得た。スピードを重視するため、ワクチンを分配する国際的枠組み「COVAX(コバックス)」ではなく、日台間の相互援助の一環として提供することになった。
日台の相互支援の絆は深い。2011年の東日本大震災では、台湾から200億円以上もの義援金が送られ、昨年4月、日本国内でマスク不足が深刻化した際には、台湾から医療用マスク200万枚が送られた。
一方、16年の台湾南部地震では、日本政府が100万ドル規模の支援を表明。18年の台湾東部地震では、行方不明者の救出を支援する専門家チームを派遣した。
中国や台湾の事情に詳しい評論家の石平氏は「これまで支援を惜しまなかった台湾に、日本はワクチン提供で恩に報いることができた。こうした動きは、人道的にも道義的にも高く評価できる。中国は『政治的利益を図っている』などと日本を批判しているが、ワクチン調達を妨害した中国こそ、政治的利益のために人命を軽視する本質が見えたといえるのではないか」と語った。
コメント総数;48
一、台湾にお返しするのは当たり前の事です。
WHOに拠出した金は効かないチャイナの
ワクチン購入に不正に使用されるだろ。
テドロスの辞任と引き替えにすると発信な出来なかったのかな。二階が邪魔するか。
二、政府の素早い決断に拍手。安倍さん、麻生さんいい仕事します。ね。
日本もマダマダ棄てたもんじゃないと。
三、中国が批判した言葉の数々は、例外なく、自国で行っている事柄を指している。見事なまでに。過去の発言を何度見てもそう思う。
ワクチンが台湾が必要とするギリギリに間に合ったのは人道的にも称賛されるべきこと。普段、この手の報道を積極的に行っているマスコミは当然、相応の時間を掛けて報道するでしょうね。どのような報道となるのか楽しみです。
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友情か政治利用か
台湾にアストラ製ワクチン支援、日本政府への晴れない疑念
6/4(金) 9:06配信/日刊ゲンダイWEB版
コロナ対策“優等生”から一転して防戦一方となった台湾に、日本からアストラゼネカ製のワクチンの供与が検討されることになった。台湾総統・蔡英文は「深い友情に心から感謝」とツイッターに投稿、政権周辺からは感謝が連発された。
感謝を連発するのも無理はない。コロナ感染爆発を受け蔡英文政権は再選以来、最大の危機に直面しているのだ。感染爆発は“優等生”の仮面を見事に引きはがした。台湾は昨年以来、水際対策に全力を挙げる一方でワクチン争奪戦には全くの無為無策だった。アストラゼネカ製約20万人分を備蓄するだけで、血栓の副反応の恐れがあるため誰もが接種しようとしなかった。それが感染爆発で医療関係者らへの優先接種により底をつき、支持率は急下降していたのだ。
「最大野党の国民党からは、東日本大震災の際、台湾は200億円を上回る義援金を日本に送った、日本は台湾のこの緊急事態に拱手傍観するのか、対日関係は史上空前の良好と胸を張る蔡英文政権は何している! との声が上がり、政治問題化させていましたから」(全国紙元台北支局長)
毒を送るのと同じこと
しかし、台湾民間の受け止めは大きく異なる。アストラゼネカ製に大きな懸念が出ているのだ。台湾中立系新聞前社長は疑念を隠し得ない。
「日本はアストラゼネカ製を使っていない。それを台湾に供与するというのはゴミどころか毒を送るのと同じことだ!」
日本政府は副反応発生時の補償は供与時期、経路などと併せて早急に検討するという。一方で、台湾への自国産ワクチン無償供与を2度にわたって申し入れ、蔡英文政権に拒否された中国が、台湾はワクチンを独立のために政治利用していると強い不快感を表明した。
「大陸に隣接する台湾の金門島、馬祖島の住民は密かに大陸に渡ってワクチンを接種している。大陸製ワクチンの効力はアストラゼネカには劣るが副反応も小さいといわれているからだ」(前出の台湾中立系新聞前社長)
友情なのか、政治利用なのか――そんな議論はコロナウイルスの前では台湾海峡両岸の風前の塵。漢人が現実的であることは世界に冠たるものがある。その現実的判断は逆に政治、外交に大きな影響を及ぼすことになろう。
(売文家・甘粕代三)
コメント総数;480
イ、筆者の甘粕代三氏を調べたら、
1960年、東京生まれ。高校時代から競馬にのめりこむ。
早稲田大学第一文学部卒。在学中に中国政府官費留学生。卒業後、東京新聞記者、テレビ朝日記者…
職業は売文家、文章を売ってお金を稼ぐ人ですからこの記事にも納得がいきました。
ロ、この売文屋が日本と台湾の友情を喜ばないことが分かった。
そして、日刊ゲンダイの政治的スタンスもね。
ハ、記事を見る限り、中国共産党は相当悔しかったようだね。政治的な意図で台湾に中国製ワクチン提供を申し出るも、台湾から、要らない、怖くて使えない、と一蹴され、日本からの提供には即座に受け入れ、感謝した台湾。日台関係がさらに強化された。
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同じニュースを、親台・親中の両論併記してみた。「夕刊フジ」と「日刊ゲンダイ」は駅売り紙のライバルであると同時に、前者が右派系、後者は左派系紙と見做してよかろう。ただし、コメント(一種の与論)を読む限り、反中国一色で親台派の圧勝である。考えてもみよかし、個人対個人でもそうであるように、凡そ人間関係は〝普段の行状″によってイメージ(固定観念)が形成されるのであって、一朝一夕には変えようがないということだ。ウソ吐き騙しそのくせ威張り腐った人物(国家)を誰が尊敬したり信用したりするものか。
日台関係は、大袈裟に言えば仏教的以心伝心(不立文字教外別伝)の域に到達している。こうした心と心が通じ合う絆のことを当世風には「心のふれあい」と呼ぶそうな。台湾産パイナップル大量輸入然り、今回のワクチン無償供与然りである。日本の台湾支援は、東日本大震災における台湾からの莫大な支援に対する恩返しの意味もある。
【おかげさまで】【困ったときはお互い様】【罪を憎んで人を憎まず】などは、我国の誇るべき精神文化だ。その根柢にあるのが「互助互恵の精神」で縄文時代から続くと思われる。
話が逸れるが、縄文時代が始まったとされる紀元前1万8千年ごろ、世界に文明と呼ばれるものはなかった。世界史的には「旧石器時代」と呼ばれるが、何故日本だけ「縄文時代」と称するのか? 理由は簡単、文字こそなかったものの、縄目で紋様を付けた縄文土器を使い、共同体(村落)を形成して集団生活を行っていたことが判っている。
世界四大文明とは、エジプト・メソポタミア・インダス・黄河とされるが、最古の黄河文明が紀元前1万4千年とすれば、縄文文明はそれより4千年も古い話である。一説によると、縄文人はアメリカ大陸にも移り住み、エスキモーやネイティブアメリカン(インディアン)の祖先とも言われる。また、中南米のアステカ・マヤ・インカ文明などを産み出したとも。もちろん、定説ではない単なる仮説にすぎないが、ユーラシア大陸的な戦争・殺戮の歴史とは一線を画した、互助互恵型文明である点が興味深い。我国の精神性と親和性があるように思えるからだ。
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