韓経:台湾海峡・南シナ海・クアッド
韓米、中国の「敏感なところ」に触れた
5/24(月) 10:17配信/中央日報(韓国)日本語WEB版
今回の韓米首脳会談共同声明には初めて「台湾」が言及された。「ひとつの中国」を強調する中国政府に台湾は最も敏感な問題だ。「台湾海峡」「南シナ海」「インド太平洋の航行の自由」「クアッド」など中国が敬遠する核心単語があちこちに使われ今後韓国政府は対中関係に負担を抱えることになったという分析が出ている。中国を刺激したくない韓国政府を考慮して表現は慎重だったが、米国が対中牽制の枠組みに韓国を十分に引き込んだと解釈されるためだ。
中国政府はまだ公式な立場を出してはいない。だが現地メディアは「内政干渉」と批判した。
◇文大統領「中国」直接言及は避けたが…
米中覇権競争と米国の中国封鎖政策が加速化する中で開かれた今回の首脳会談は、開催前から共同声明に盛り込まれる対中メッセージの水位に関心が集まった。会談後の共同記者会見で米国のある記者は「バイデン大統領が台湾に対する中国の姿勢に韓国がさらに強硬な態度を取るよう水面下で圧迫したのか」と質問したりもした。文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「幸いそのような圧迫はなかった」と笑って答えた。
しかし遠回しな文面にもかかわらず、声明には事実上中国を狙った事案があちこちに含まれた。両国は「われわれは南シナ海とその他の地域で平和と安定、合法的で妨害されない商業と航行・上空飛行の自由を含んだ国際法尊重を維持することを約束した。バイデン大統領と文大統領は台湾海峡での平和と安定維持の重要性を強調した」と明らかにした。
このほかにも「規範に基づいた国際秩序を阻害、不安定または、脅かすすべての行為に反対」「第5世代(5G)と6G技術、半導体を含めた新技術、サプライチェーン回復力などに対する新たなきずな強化「メコン地域の持続可能な開発」などいずれも中国を狙った表現と解釈される。
親中性向に不満を示しトランプ前大統領が脱退した世界保健機関(WHO)の独立性を保障したり、韓米両国が新型コロナウイルス発病の起源に対する透明で独立的な評価・分析を支援するという内容もやはり中国としては不満だ。
ただ文大統領は記者会見で、「台湾海峡の平和と安定に対しては特に中国と台湾の間の特殊性を考慮するとその地域がどれだけ重要なのかに共感した」として両岸関係に言及し中国側に配慮した。
だが経済社会研究院のシン・ボムチョル外交安保センター長は「『台湾』に言及することにより韓中関係は終わった。クアッドは比較的技術的に遠回しにうまく言及したが、韓米ミサイル指針解除と半導体などグローバルサプライチェーン協力に加え台湾にまで言及することにより韓国が米中覇権競争で米国側に立つという意向を明確に表わしたもの」と解釈した。これに対し国立外交院のキム・ヒョンウク教授は「中国にやや不快なことはあるだろうが、この程度で韓国に制裁や圧迫をすることはないだろう」と話した。
◇中国メディア「台湾言及は内政干渉」
中国では韓米両国が台湾と南シナ海に言及したことに対し「内政干渉」という反発が出ている。ただ先月の日米首脳会談後に中国メディアが日本に向け「米国の属国」と猛攻撃したことと比較すれば批判の水準は低いと評価される。
国営グローバルタイムズは文大統領が中国の「レッドライン」を超えずに米国から望むものを勝ち取り韓国の原則を維持するのに成功したと評価した。遼寧省社会科学院の呂超首席研究員はグローバルタイムズに「韓米共同声明で台湾海峡への言及は予想されたもので両国が中国問題で到達できる最大合意点だった」とした。
中国は韓国と米国が半導体サプライチェーン構築と新型コロナウイルスワクチン支援に協力することにしたことにさらに注目した。中国メディアはこうした措置が韓国が対中封鎖政策に参加するよう誘導する米国の戦術だと診断した。韓国も企業が米国に大規模投資を決め、台湾問題など政治・軍事的部門で米国の圧迫を減らすことができたという分析も出てきた。
半導体産業アナリストの馬継華氏は環球時報に「バイデン政権が中国をグローバル半導体サプライチェーンから排除するため韓国のサムスンなどを引き込もうとしているが結局失敗するだろう」と主張した。半導体を含む韓国の産業が中国と深くつながっているためだとの説明だ。
※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。
コメント総数;41
一、臆病この上ないですね、全く。何とも頼りにならない隣国で、日本や台湾が悲劇です。
THAAD 配備での制裁で、痛い目見たのであれば普通は大陸への経済的依存度を下げる手を打つが、近隣以外に何もメリットが無いから、他マーケットに出向けず、結果的に尻尾を振り回す戦術をとった。
外交の天才としか言いようがない
二、中央日報さん、大丈夫です。安心してください。
貴国の外交の天災・文在寅大統領は、今回、アメリカ大統領との会談では、アメリカにとって響きが良い言葉を紡いで、韓米関係を回復させることに努めました。
ただ、この内容がどうしても中国を怒らせる内容を含んでいることは外交の天災・文在寅大統領も織り込み済みです。
中国に叱られたら、今度こそ、外交の天災・文在寅大統領の本領発揮です。
今度は北京に行き、平身低頭頭を下げて、中国との関係回復に努めて、中国に響きが良い言葉を机の上に並べ続けることでしょう。
外交の天災・文在寅大統領は、米中双方から信用されなくなることも織り込み済みです。
その場を切り抜けて存続してきた歴史に裏打ちされているからです。
そして、任期はあと1年しかありません。
それまでの辛抱だと思って、文在寅大統領はあちこちで空っぽの笑顔を振りまき続けているのです。
だから全く問題ないんです。
三、日本や台湾、フィリピンなどは米国との関係を強化して中国の覇権主義の野望に対抗するのが現状での選択だろう。
韓国は関係周辺国でありながら、これとは違う道を歩んで行くということかな。
米国と中国からいいとこ取りをして来たことに味をしめて、両陣営の対立が深刻化すればするほど自分の価値が上がるとでも考えているのだろうか。
上手く乗り切れば良いけど、失敗すると両方から袋叩きにあうリスクも高い。
まぁ、借金して株式に投機する国民性だからこんなギャンブル外交なんて望むところと言った感じかな。
韓国経済新聞社の元記事を中央日報が日本語に翻訳しただけのニュース。当然、日本人にも知って(理解して)欲しかったからに相違あるまい。だが結果は、韓国政府に対して批判的なコメントばかりなのが、今日の敵対的日韓関係を象徴している。同じ隣国ながら、良好な日台関係とは正反対である。
何故か? 問題は世界の鼻つまみ者中国との付き合い方である。武漢ウイルスの世界的なパンデミック(大流行)を期に、欧米先進国は中国を仮想敵とした封じ込め策に転じている。我国政府も言行不一致の疑念はあるものの、少なくとも口先だけは対中国封じ込め策に加わることを明言している。
ところが、韓国政府はどうか? ズブズブの経済関係にあるのを逆手に取られ、中国から恫喝・経済制裁を受ける有様。同盟国米国にも、経済でズブズブの中国にも好い顔したい下心が透けて見え、米中双方から信用されていない現状が浮き彫りになった、ということだろう。二極対立を孕む国際問題に関しては、「中立」という選択肢はない。対立構図をどう観るかで処し方も異なるが、反社会的人権蹂躙国家(=中国政府+α)対道義立脚国家(世界の趨勢)との鬩ぎ合い、と観たほうが単純で分かり易い。同じ単純化するにせよ、単なる「米中貿易摩擦の延長線」とか「民主主義対全体主義」や「グローバリズム対ナショナリズム」などの主義主張(イデオロギー)での二分論には与しない。正邪善悪が明明白白だからだ。
恫喝に屈するにせよ、中国に与する国家は〝同じ穴の狢(反社会的国家)″と見做されても仕方あるまい。文在寅大統領は、コトの本質(反社会的人権蹂躙国家対道義立脚国家)を見誤ったがゆゑの醜態だろう。我が菅政権には、ハラを括って安全保障上の諸問題に取り組んでいただきたい。
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