本稿ではプアチウィット(タイ語で「人生」という意味らしい)と呼ばれる音楽を採り上げる。タイ国内録音流行歌をポップス系とルークトゥン(タイ歌謡曲)系の二大ジャンルに分けるとするなら、プアチウィットは概ねルークトゥンのカテゴリーに入れられることが多い。しかし、グローバルな視野に立てば、タイ土着の音楽と言うより、欧米を源流に持つフォーク・ロックの影響が強いように思う。ただ、タイの伝統楽器のみならず、偶には印度や中国などアジア特有の楽器も使用されることがある。ゆゑに、どことなく生活臭が滲み出た曲が多い。また、欧米フォークロックとは一線を画し、都会よりも田舎風のエキゾチックな香りがする。したがい、我国で喩えるなら「和製ポップス(原曲が本邦オリジナル)」といったところか。尤も、和製ポップスは都会的で泥臭さなどないけれど。
MP3;นิธิทัศน์/เพลงเพื่อชีวิตที่คิดถึง
(MP3;ニティタド・プロモーション『心に残るプアチウィット音楽』)
どんな音楽なのか知る上で、何とか聴けると思った曲を二つだけ聴いてみよう。
05 หยาดเหงื่อหยดน้ำตา(汗)
by เสกสรร ทองวัฒนา(セキサン・トンワタナー)
40 สาละวิน(サラウィン)
by ม.เต็ง(M・テン)
プアチウィットだかロックだか知らないが、初訪タイ時(1989年)に買ったカセットテープに入っていた一曲が忘れられない。このカセットテープはテープが断線して、もはや聴くこと能わず。でも、タイ語なれど曲名(歌詞付)が明記されているので、YouTubeで観て(聴いて)みることにしよう。
ไปต่อไป(先に進む)
by อิทธิ พลางกูร(イッティ・パランクーン)
タイらしさはないけれど、好いなぁ。そして懐かしい。
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