ライブドア問題で世間が騒がしい。一年前はプロ野球球団や放送局買収を仕掛けて攻勢だったホリエモンこと堀江貴文氏も、今回は窮地に立たされている。堀江氏の手法に私は与しないが、批判するつもりもない。問題なのはマスコミだ。一度は時代の寵児ともてはやしながら、手のひらを返したようにホリエモン批判に転じる。まるで「キリストを十字架にかけよ」と叫ぶユダヤの民衆と同レベルである。勝者にゴマすり、敗者を鞭打つ。弱い者いじめの構造となんら変わらない。卑怯者のすることで、昔の日本人は恥ずべき行為として自らを戒めてきた。彼ら一人一人が家に帰れば子を持つ親であろう。そう思うと背筋が寒くなってくる。
ところで、堀江氏らヒルズ族を見ていて、お世話になった会社社祖安田善次郎翁の戒めを思い出した。以下に記しておく。
『一攫千金は夢にも望むべからず、常道にあらざればなり。知らずや、投機に得たる萬金は消え易きこと泡沫の如きを。額の汗に得たること、實にも貴き財なれ。微塵の財も積めば山ともなりぬべし、積みて善く用ゐれば益々集まる。
富めるとて、驕れば忽ち滅ぶべし、守るべきは分度なり。上を敬ひ、下を恤み、神佛に事へておろそかならず、法令に遵ひ生業を勵むは、子孫長久の基也。
夫れ財は泉なり、周流して物を潤す。常に財用を節すれば歳計必ず餘りあり。以て親故を賑はし、施て國用を資くるに足る。斯くの如くにして貨泉(お金)の功始めて全しと言ふべし。』
~意志の力~ 緒言より
2006年2月3日(金)の記事
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